新年度 園長あいさつ
ご入園、ご進級おめでとうございます。
進級したお友だちに新入園児を迎え、
新しいせいとく幼稚園の一年がはじまります。
幼稚園は教育機関ですが、
学校のように字や計算などの知識を学ぶ場ではありません。
幼稚園では、小学校以降の知識を学ぶ土台…
例えば好奇心、集中力、やる気だったり、
集団の中で豊かに生活できるための協調性、
思いやり、規範性だったり・・・
なにより、このようなさまざまな力を持続させるための体力などを培う場です。
そして、
それは「遊び」を通して体験的に学ぶことが大事です。
だから「せいとく」では
「思いっきり遊ぶ」ことを大切にしています。
子どもたちは遊びながら
さまざまな経験を積み、
気づき育っていくのです。
一人で遊んでいると
「友だちができていない」と心配する保護者もいらっしゃいますが、
この一人遊びも
集中力や好奇心を培うためには大切な時間です。
好きなことに熱中することで、
集中力が養われ、
考え、
工夫する力も育まれていきます。
そして、
その子が熱中している遊びに興味を持った子との輪が広がり、
友だちとの関りも深まっていきます。
おもちゃの取り合いも同じです。
まずは自分が遊びたいというその子の欲求がスタートです。
でも、
取り合いを通じて初めて、
生身の存在としての他者に気づき、
他者への思いが育っていくのです。
「せいとく」では、
まず
その子ひとりひとりの思いをしっかりと受け止めることからはじめます。
そして、
その子の世界や視野をちょっと広げるヒントを与えたり、
その子のことを気にしている相手の存在に気づく機会をちりばめたりして、
子ども自身が
気づき育っていく保育をめざします。
それは、
「子ども自身」を尊重しているからです。
でも、
ただ尊重しているのではなく、
社会性の筋に気づけるよう
尊重していくことが大事です。
それは、
人はよりよく生きていきたいと
願ってやまない存在だと思うからです。
「その子自身」を信じることで、
子どもは安心し、
自分に自信をもち、
自分で考え
行動していく力を培い、
この幼稚園社会の中で
のびやかに育っていくのです。
そして、
これらの経験が、
社会って
あたたかいもの、よいものだという
原風景となっていけばと願っています。
大人になったとき、
この原風景を基に、
よりよい社会を作る一員になってほしいと
願っているからです。
私たち保育者はそんな未来を思いながら、
子どもたちの今を大事に見つめ続けていきたいと思います。
今年度も、教職員ともどもよろしくお願いいたします。