2017/09/06

9月の園だより

私の頬には小さなシミがあります。

高校生のころ不注意でドライヤーの熱で火傷をした跡です。 

火傷をした頬を氷で冷やしていると、

いつも怪我の絶えない私をおっちょこちょいだと笑い飛ばしている母が

いつになく心配して病院に行こうと言い張るのです。

私は大したことはないからと大丈夫だと言うと

「だって、女の子でしょ!跡が残ってお嫁にいけなくなったらどうするの?」

と怒鳴られました。

私は母のいつにない語気に、つい噴き出してしまい、

「大袈裟だよ。

例え跡が残ったって、この程度のことでお嫁にもらってくれないなんて、

そんな旦那さんいらないよ!!」と言い返しました。

それでも母は更に「でも、年取るとシミになるのよ」と、心配そうに言ったのですが、

私は結局病院には行きませんでした。

 

確かに私の言い分の通り、

このシミのことなんか夫は気にもしていません。

でも、結局は母の心配した通りシミにはなってしまいました。

 

今思えば、反抗期で母の愛に気が付けず言い返してしまった私を、

母は、シミになることもわかっていながらも、受け入れてくれたのでした。

それは、子ども自身が気づくしかないと思い、

私自身が長い年月をかけて

このことに気付くまで見守ろうと決めてくれたからだと思います。

母のその寛容さに愛の深さと忍耐強さを感じます。

 

今の私は息子と言い合いになったとき、

自分の意見を押し付けていないだろうか?

子ども自身が気付くまで見守ることができるだろうか?

私もあの時の母のように、息子自身が気づくように支え続けたい。

そして、いつか息子にも何気ない思い出とともに

母の愛を感じられる、そんな思い出を残してあげたい。

そんなことを考えながら、

今日も私はせっせとシミ隠しにいそしんでいるのです。