6月の園だより
砂場での水遊びが解禁になりました。
子どもたちは嬉しそうに、アンパンマンの蛇口へと走ってきました。
ところが、
アンパンマンの蛇口はクラスの前にある蛇口より硬く、
開け閉めがちょっと難しいのです。
何度も水を運ぶうちに、開けるのは少しずつ上手になってきました。
でも、閉めるのはそれより難しい…
というよりも、運びたい気がはやり、
蛇口を閉めずに行ってしまうのです。
そういうなかの一人A子ちゃんに
「お水もったいないね。閉めていってね」と一声かけると
「(バケツを持っているから)できない~」という答えが返ってきました。
「持っているとできないね」と言うと、
ちょっと考えて、
バケツを流しの淵に置き、
バケツに気をつけながら蛇口に手を伸ばしました。
でも、
「届かない!!」と言うと、
蛇口を閉めずに、砂場へ行ってしまいました。
また、水を汲みにきたので、
「閉めていってね」と言うと、
「できないもん」と答えます。
そこで
「B子ちゃんは閉められるんだよ」と言うと、
A子ちゃんはB子ちゃんの様子を見始めました。
そして自分の番になると、
B子ちゃんと同じようにバケツを流しの中に置いて水を汲むと、
今度は水を止めようと手を伸ばし、
ちょっと捻ってみました。
でも、
「固い~!!」と言って、
また、水を出しっぱなしで行ってしまいました。
またまた水くみにくると
A子ちゃんは、今度もバケツを流しの中におき、蛇口をひねりました。
「固い~」とA子ちゃん…
実は蛇口をぎゅっと絞めておいたので、水はなかなか出ません。
「手伝って」と言いだす前に、
私はひとこと「がんばってね」と励ましました。
A子ちゃんはちょっと臆しているようでしたが、
すぐに蛇口を開こうとがんばりはじめました。
そして、
何回かのトライのあと、
水は勢いよく流れ始めました。
「できた!!すご~い!がんばったね。」と言うと、
A子ちゃんもうれしそうです。
そして、バケツにいっぱい水をためると、
今度は閉めるのにもトライしはじめました。
今度はあきらめません。
がんばって、
がんばって、
しっかりと蛇口を閉めてくれました。
そして、私にむかって
「できた!!」と言って
自慢げにニコッと笑うと、水を運びはじめました。
できなくても、やってみる!
やっていれば、そのうちできるようになる…
できるとうれしい!
そして、できるようになると、
今までできなかったことにも挑戦してみようと思える…
そして、またできる…
すると、自信が生まれて、
そのうち、工夫することの楽しさも…。
教わってわかるのではなく、
自分で考え、がんばる体験を!
成功体験も大切ですが、
うまくいかないという体験も、
それはそれで成功に向けたよいタネになりうると思える一コマでした。