2月の園だより
大雪のあとは雪かきです。
雪が降った翌朝、私が家を出たのは6時。
そのときには駅までのほとんどに道がつけられていました。
お蔭さまで滑る心配もなく、とてもありがたい気持ちでいっぱいになり、
外は寒いけど心温まる登園となりました。
そして、私もがんばらねばと気持ちを奮い立たせ、遊歩道の雪をかいていると、
今度は、いろいろな方の温かさに触れ、さらに温かい気持ちになりました。
「ありがとうございます」
「助かります」
「無理なさらずにね」等々と声をかけてくださる方々…
園児も「がんばって!!」等と応援してくれます。
そして、
ちょうちょ組の小さなお友だちも「私も雪かきする!」と、
子ども用のスコップを持ってきて、(遊歩道ではなく公園の雪ではありますが、)
一生懸命、雪かきをしてくれていました。
私としては、子どもたちがマラソンで滑らないように、雪をかいているだけなのですが、
いろんな方に励ましやお礼を言われると、
人のお役に立ててうれしくなり、なんだが力も湧いてきます。
はじめは、〝あのあたりまでは到底無理だから、半分位で終わりにしよう“とやり始めるのですが、
声をかけられると、うれしくなって
〝もう少しやろうかしら”と思い直し、
気が付いたら、
到底無理と思っていたあのあたりまで頑張ってしまっていました。
私はふと「ペイ フォーワード~可能性の王国~」という映画を思い出しました。
11歳の少年が世界を変えていくために、
人から受けた厚意をその人に戻す(ペイ バック)のではなく、
他の誰かに先贈りをして(ペイ フォーワード)
善意を広げていこうと提案して、
それが社会を動かしていくという話です。
大雪の翌朝、雪かきされた道を歩けた厚意を、
私は他の道を雪かきすることでペイ フォーワードしている…
もしかしたら、私の雪かきで温かい気持ちになった方が
家族に優しく声をかけることでペイ フォーワードしていく…。
そんな輪が広がっていくことを想像しながらの雪かきは、
ひとりでやっていながらもひとりじゃない…
そんな気分です。
大雪の翌日、
あるお母さんは道々雪かきをしながらお迎えにきていました。
「我が子のためですよ」とおっしゃていましたが、
「我が子」のための道を
たくさんの方が感謝しながら歩いているのだろうなと思うと、
そんなお母さんがいらっしゃるこの地域が
ますます好きになりました。